物流センターの受付業務を効率化するには。紙と電話の受付を、受付から完了までの手順ごとに見直す

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「物流センターの受付業務を効率化するには」というコラムの見出し画像

紙の受付表に記入してもらい、整理券を渡し、順番が来たら電話をかけるか呼びに行く。多くの拠点で続いてきたこの受付は、台数が増えると、スタッフが受付と呼び出しに多くの時間を取られることがあります。かといって「システムを入れれば片づく」とも限りません。この記事では、受付業務を手順に分けて見たうえで、拠点の実情、導入で決めること、運用開始までの流れを、実際に紙と電話の受付から切り替えた企業の例とあわせて整理します。

紙と電話の受付が回らなくなる拠点の実情

受付業務は、ひとつの作業ではありません。トラックが着いてから帰るまでに、次の手順が続きます。

手順紙と電話の受付で起きやすいこと
受付(発券)ドライバーが車を降りて受付表に記入し、整理券を受け取る
順番待ち待つ場所が足りないと、空いた場所への駐車や路上待機が起きる
呼び出しスタッフが電話をかけるか、車両を探して呼びに行く
接車どのバースに付けるかを口頭で伝える
完了作業の開始・終了の時刻を手書きで残すか、残さない

建設仮設資材のレンタルを手がけるキョーワ株式会社は、導入前の状況として、多いときで1日最大100台ほどのトラックが出入りし、受付待ちが20台ほどになることもあったと説明しています。担当者は朝から晩まで整理券を配り、順番が来たトラックを探して呼びに行っていました。受付表の記入では、先に来ていたのはどちらかと順番をめぐるトラブルになることもあったといいます。

記録の面でも課題がありました。同社は、以前はドライバーによる手書きの記録が中心で、車両台数やトラックが待った時間を十分に把握できていなかったと述べています。

建設機械・仮設資材のレンタルを手がけるマツオカ建機株式会社とアシタル株式会社も、受付は紙、呼び出しや誘導は電話や口頭という運用でした。両社が挙げた課題は三つです。受付対応による事務所スタッフの業務中断、ドライバーの「いつ呼ばれるか分からない」という待機ストレス、そして正確な荷待ち・荷役時間の記録が難しいことでした。

紙と電話の受付の負担は、手順ごとに少しずつたまります。どこから変えるかを考えるには、自分の拠点ではどの手順に手間がかかっているかを先に見ておく必要があります。

受付の仕組みを導入する前に決めること

国土交通省のガイドライン(建設資材物流編)は、トラック予約受付システムを十分な検討をしないまま導入して機能しなかった例を挙げ、車両台数、受入れ貨物量、バース数等を踏まえて設計すべきだったと指摘しています。受付業務でも、仕組みより先に運用を決めることが要ります。

受付台の奥に紙の台帳と電話が寄せられ、手前に置いたタブレットの横にスタッフの手が添えられている
紙の台帳と電話から、手元の画面での受付へ

受付業務の見直しでは、次の項目を決めておきます。

  • どの手順から置き換えるか — 前の節の表で、スタッフの手が最も取られている手順を確かめます。受付だけを置き換えても、呼び出しが電話のままなら電話をかけるたびの作業中断は残ります
  • 受付をどこで受けるか — 到着後に事務所の窓口で受けるか、来場前や車内から受けられるようにするか。窓口に人が並ぶこと自体が混雑を生みます
  • 順番をどう決めるか — 先着順だけで呼ぶか、車両の大きさや作業内容に応じて現場が順番を入れ替えられるようにするか
  • どの時刻を記録するか — 受付、呼び出し、荷役の開始と終了。2026年4月に施行された改正物流効率化法では、一定規模以上の事業者(特定事業者)に、荷待ち時間等の削減に向けた中長期計画の作成と定期報告が求められます。対象かどうかの判断は特定事業者の中長期計画とはで扱っています
  • 例外の受け皿 — スマートフォンを使わないドライバーや、初めて来るドライバーをどう受けるか。紙の受付を残すかどうかを先に決めます

到着の時間帯そのものを分散させる予約枠の設計はバース予約の運用設計で、敷地の外に並ぶ車両への対策はトラックの路上待機を止める対策で扱っています。

運用開始までの流れ

  1. 今の受付を書き出す — 1台の受付から完了まで、誰が何をしているかを手順ごとに書き出します。電話を何回かけているか、呼びに行くのに何分かかっているかも数えます
  2. 置き換える手順と残す手順を分ける — 前の節の項目を決め、紙のまま残す例外も明文化します
  3. 受付担当者の役割を決め直す — 窓口で記入を受ける人、呼び出しの順番を判断する人、バースへの接車を指示する人を分けて決めます。呼び出しの順番を入れ替えてよいのは誰か、判断する人を一人に決めておくと現場が迷いません
  4. 切り替えの日を決め、紙と並べて動かす — 切り替え直後は、新しい方法で受け付けた車両と紙で受け付けた車両が混ざります。両方を一つの呼び出し順にまとめる担当を置き、紙の受付表は例外用として窓口に残します。ドライバーにはチラシなどで手順を伝えます
  5. 記録した時刻で振り返る — 受付から呼び出しまで、呼び出しから接車まで、作業の開始から終了までの時間を手順ごとに見て、詰まっている箇所を直します

荷待ち時間の測り方と、原因ごとの打ち手は荷待ち時間を減らす方法にまとめています。

TruckCALL での実例

TruckCALL™は、発券・チェックイン・呼出・接車・完了までをワンストップで扱うトラック予約・受付・バース管理サービスです。前の表の手順を、ひとつの仕組みの中でつなげられます。ドライバーへの呼び出しはLINE通知・自動電話・SMSに対応し、初めて来場するドライバーも専用アプリやID発行なしで利用できます。受付・呼び出し・荷役開始/終了の各時刻は自動で記録され、2026年4月7日からは、そのデータから荷待ち時間と荷役等時間を自動で算出する機能も追加料金なしで提供しています。期間を指定したCSVのダウンロードや、時間帯別の平均台数と荷待ちの傾向を示す統計グラフにも対応しています。

キョーワ株式会社は、全国の支店・主要センターにTruckCALLを導入しました。同社が挙げた受付業務の変化は次のとおりです。

項目導入後
現場スタッフ整理券配りや車両を探して呼びに行く作業から離れ、積み下ろしや伝票処理に集中
到着前の準備受付情報を事前に確認でき、車両が着く前に伝票の準備を進められる
呼び出しの順番車両の大きさや作業内容に応じて順番を入れ替えて呼び出せる

手書きだった記録も、受付から待機完了・接車までの時間や車両の大きさをシステム上で確認できるようになりました。LINEを使っていない、ガラケーを使うドライバーには、従来どおりの受付方法を残しています。

マツオカ建機株式会社とアシタル株式会社は、紙と電話・口頭の受付からTruckCALLへの切り替えにあたり、従業員が日常的に使い慣れているLINEをそのまま使えることを決め手に挙げています。導入にあたり期待する効果として、受付業務の省力化と対応時間の短縮、年間約190万円以上のコスト削減効果の見込みを示しています。

まとめ

  • 受付業務は、受付(発券)・順番待ち・呼び出し・接車・完了の手順に分けて見る
  • 仕組みより先に運用を決める。車両台数、受入れ貨物量、バース数等を踏まえて設計する
  • 置き換える手順、受付の場所、順番の決め方、記録する時刻、例外の受け皿を決めておく
  • 1拠点で試し、ドライバーに使ってもらいながら、記録した時刻で詰まりを直す

出典

  1. 自社(TruckCALL 導入事例・キョーワ株式会社)https://truckcall.jp/case/kyowa-inc-co-jp//2026年10月21日 取得
  2. 自社(TruckCALL 導入事例・ミライリスホールディングス)https://truckcall.jp/case/mirairis-hd-co-jp//2026年10月21日 取得
  3. PR TIMES(自社)「荷待ち時間等の自動算出機能」を追加https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000046163.html/2026年10月21日 取得
  4. PR TIMES(自社)運輸安全・物流DX EXPO in 大阪 2025 出展https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000046163.html/2026年10月21日 取得
  5. 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイトhttps://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp//2026年10月21日 取得
  6. 国土交通省「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン 建設資材物流編」https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001346887.pdf/2026年10月21日 取得

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