キョーワ株式会社、「TruckCALL™」導入で近隣クレームがゼロに。平均待機時間を75%短縮
全国支店・主要センターへの展開により、平均待機時間2時間から30分に短縮、キャンセル率1%を実現した現場改革
写真右:北関東支店 業務部 課長代理 竹田 恵美子様

- 会社名
- キョーワ株式会社
- 業務内容
- 建設現場の安全ネットやメッシュシートなどの繊維仮設資材で国内トップシェアを誇る、開発・製造・販売・レンタルのリーディングカンパニー
- 公式HP
- https://www.kyowa-inc.co.jp/
建設現場を支える建設仮設資材のレンタル業界では、資材を積み下ろすトラックが営業所やセンターへ集中し、受付待ちが発生しやすい状況になります。待機場所が少ない、もしくは無いセンターにおいては、隣接道路におけるトラックの路上停車が、近隣の方からのご指摘や苦情につながります。また、現場スタッフも呼出作業に追われてしまいます。こうしたトラックの受入れ容量に伴う、車両待機問題に対し、仮設資材業界においてDXを通じた現場作業の軽減および業務プロセス改革にいち早く取り組んでいるのがキョーワ株式会社です。同社では、市川配送センター(千葉県市川市)厚木配送センター(神奈川県厚木市)をはじめとする全国各拠点に、LINEで受付・順番待ち・呼び出しができるトラック予約/受付システム「TruckCALL™」を導入。今回は、キョーワ株式会社の西川宗斗司様と竹田恵美子様に、導入の背景や現場・ドライバーに起きた変化、そして業界全体のDXに向けた展望をお伺いました。
導入後の成果
- トラックの平均待機時間:全国主要センターにおける平均の約2時間から約30分と75%も短縮
- 市川センター周辺で路上待機するトラック:0台
- 近隣クレーム:ゼロ
- キャンセル率と立ち去り率の合計:約1%
最大100台/日の入退場に対し、受付待ちは約20台。スタッフが一日中対応していた
——「TruckCALL™」導入前、現場ではどのような課題がありましたか。
西川様:市川センターや厚木センターでは、トラックの入退場によって、お客様や近隣の方にご迷惑をおかけする状況がありました。多い時は1日最大100台ほどのトラックが出入りし、受付待ちが20台ほどになることもありました。敷地内の待機場所が無いため、順番待ちの車両が路上で待機するため、近隣住民の方からクレームが入ってしまうことも。特に厚木センターは国道に面しているため、警察から注意を受けることもあり、早急に改善が必要であり、会社として大きな課題でした。現場スタッフの負担も大きく、担当者が朝から晩まで整理券を配り、順番が来たトラックを探して呼びに行っていました。離れた場所まで呼びに行くために、「自転車や原付が欲しい」という話が出るほどでした。
受付のために一度車両を敷地内へ入れ、再び外へ出てもらい、電話やメールで戻ってきてもらうこともしていたのですが、この運用はドライバーにとってもスタッフにとっても手間がかかります。呼び出すたびに本来の作業を止めなければならず、入退場対応そのものが業務を阻害する要因になっていました。
竹田様:受付するために路上に長い列ができてしまうのです。また、センターによって敷地の広さ、周辺環境は異なりますので、車両が停められるセンターでも、空いている場所に次々とトラックが駐車してしまったり、受付表へ記入の際、先に来ていたと順番をめぐりトラブルに発展することもありました。待機車両が近隣への交通へ大きく影響する主要センターでは、路上待機車両をなくすことが最優先です。敷地に余裕のあるセンターでも、受付や呼び出しに人手を取られていたため、各拠点の状況に応じて運用を改善する必要がありました。
現場に合わせた柔軟な改修と、要望に寄り添う対応力が導入の決め手。
——「TruckCALL™」を知ったきっかけを教えてください。
西川様:当社の役員が北海道の飲食店を訪れた際、LINEで順番待ち整理券システム「matoca」を利用したことがきっかけです。サービス名を見て、「この会社について調べてほしい」と私に写真を送ってきました。
以前から、トラックの入退場問題を何とかできないかと社内で検討していたため、飲食店の順番待ちの仕組みを車両受付にも応用できるのではないかと発想したのだと思います。問い合わせたところ、物流向けの「TruckCALL™」があると分かり、具体的な検討が始まりました。
——自社開発や他社サービスも検討されましたか。
西川様:自社開発も検討しましたが、取引のあるシステムベンダーからは、最低でも数千万円ほどかかると言われました。それでは費用対効果が合わないため、現場の運用に応じて改修できるパッケージを探しました。他社サービスとも比較しましたが、価格面に加え、改修や機能追加への対応力が大きな判断材料になりました。「TruckCALL™」は柔軟性があり、導入初期に出した多くのリクエストにも親身に対応してもらえました。その柔軟性と対応の良さが、採用の決め手です。
市川センター周辺の行列がなくなり、現場とドライバーの双方から「楽になった」の声。
——導入後、最も大きく変わったことは何でしょうか。
西川様:市川センターでは、近隣道路にできていた行列がなくなりました。現在は、トラックが路上に並んでいません。現場スタッフも、整理券を配ったり、車両を探して呼びに行ったりする作業から解放されました。以前は、それだけで一日が終わってしまう担当者もいたほどです。導入後はスタッフが本来の積み下ろし作業や伝票処理に集中できるようになりました。
竹田様:実際に利用しているドライバーの方からは、「トラックから降りずに受付できるので楽になった」「来場前に順番を取れて便利」といった声も聞いています。何度か利用して便利さを実感すると、継続して使ってくださる方が多いですね。ドライバーの業務時間に関する規制が厳しくなる中、運行時間を計算しながら待ち時間を有効に活用している方もいらっしゃると思います。各センターの混雑状況も確認できるようになり、ドライバーの方にとっても時間を管理しやすい受付方法になっていると思います。
——ドライバーの方はスムーズに利用できましたか。
西川様:導入当初の反応は、決してよいものばかりではありませんでした。年配のドライバーや、ガラケーしか持っていない方もおり、新しい受付方法を使うことが難しいケースもありました。LINEを使用していない、ガラケー使用のお客様については、従来どおりの受付方法を残しています。
しかし、60歳を過ぎてもLINEを使っている方は多くいらっしゃり、国民的なアプリであるLINEを入口にしたことで、比較的早く浸透したと思います。
竹田様:最初は「車を降りて受付する方が楽」「登録が面倒」と言われることもありました。強制することはできないため、チラシを配りながら、まずは試しに使っていただくところから始めました。年齢に関係なく、最初は新しい方法を面倒に感じる方もいます。ただ、何度か使ってみると、「こちらの方が簡単で楽だ」と分かっていただけます。特に、日頃からセンターを利用するドライバーの方は、便利さを実感すると継続して使ってくださるようになりました。
受付順の柔軟な調整で生産性を高め、実績データに基づく人員配置も可能に
——受付順を柔軟に調整できる点も評価されているとお聞きしました。
西川様:単純な先着順ではなく、車両の大きさや作業内容に応じて、順番を入れ替えて呼び出せる点も魅力です。例えば、大型車の作業が途中で止まっている場合、別の車両を先に案内した方が全体として多くの台数を効率よく処理できることもあります。これは現場の状況を把握しているスタッフだからこそできる判断です。センター全体の生産性向上に繋がっていると感じます。
——キャンセルや立ち去りにも変化はありましたか。
西川様:導入前は、待ち時間が長く、受付後に帰ってしまうドライバーも多くいらっしゃいました。整理券を捨て、そのまま帰ってしまう方も。現在は、キャンセル率と立ち去り率を合わせても、全体の約1%まで減っています。以前は正確な数字を取れていなかったため比較は難しいのですが、現在の立ち去り率は非常に低いですね。
竹田様:以前は、ドライバーが到着してから、どの現場のどの資材を受け取りに来たのかを確認し、注文や伝票の処理を始めていました。そのため、伝票を発行するまでに時間がかかることもありました。
現在は受付情報を事前に確認できるため、車両が到着するまでに準備を進められます。車両の大きさによって積み下ろしにかかる時間も変わりますが、その情報を見ながらほかの作業を進められるようになり、業務全体を回しやすくなりました。
——「TruckCALL™」のデータは、センター運営にどう活用されていますか。
西川様:以前はドライバーによる手書きの記録が中心で、車両台数や待機時間を十分に把握できていませんでした。
「TruckCALL™」の導入後は、各センターの混雑状況に加え、車両台数、受付から待機完了・接車までの時間、車両の大きさなどを確認できるようになりました。例えば、売上規模が大きい拠点だからといって、単純にその分だけ多くの人員が必要になるわけではありません。大型車は中型車より作業負荷が大きいなど、車格や作業内容によっても必要な人数は変わります。
これらのデータを使うことで、「この支店には何人必要か」「この時間帯は人を増やすべきか」を判断できるようになりました。人員が必要な支店と、そうでない支店が可視化され、経験や感覚だけではなく、実績に基づいて人員配置を調整できるようになっています。
「TruckCALL™」は受付業務を効率化するだけでなく、センター運用そのものを改善するためのデータベースになっています。
受付システムから、センターと業界全体を支える仕組みへ
——今後の展望や、「TruckCALL™」へ期待することをお聞かせください。
竹田様:現在も車両台数や待機時間などのデータは確認できますが、そのデータを具体的な改善につなげるところまでは、なかなか手が回らないのが実情です。AIなどを活用して利用状況を分析し、「この時間帯は人員を増やした方がよい」「この部分を見直すと、さらに効率化できる」といった改善案を事前に提示してもらえるようになれば、データをより有効に活用できると思います。また、天気や気温によって現場の稼働状況も変わるため、将来的にはそうした情報も組み合わせて翌日の混雑を予測し、人員配置や作業計画に活かせるようになることを期待しています。
西川様:私たちが目指しているのは、拠点ごと、日ごとに異なる作業量や人員配置のばらつきを抑え、業務を平準化することです。過去の利用状況から「明日は車両が少なく、比較的余裕がありそうだ」と事前に分かれば、その時間を使って、普段なかなか手を付けられない別の作業を進められます。現場には対応しなければならない業務が数多くあるため、先の状況を予測できることには大きな価値があります。
「TruckCALL™」が受付や呼び出しを効率化するだけでなく、蓄積されたデータから次の行動を提案し、センター全体の運営を支える仕組みへ進化していくことを期待しています。
——最後に、同じような課題を抱える企業へメッセージをお願いします。
西川様:トラックの待機は、ドライバーだけの問題ではありません。近隣への影響や現場スタッフの負担、伝票処理、人員配置などセンター運営全体に関わる課題です。当社も長年悩んできましたが、「TruckCALL™」の導入によって路上の行列がなくなり、スタッフも本来の業務に集中できるようになりました。
新しいシステムを導入するときは、「現場やドライバーに受け入れてもらえるだろうか」と不安に感じると思います。実際、当社でも初めからすべてが順調だったわけではありません。それでも、現場に合わせて運用を調整しながら続けることで、少しずつ定着していきました。課題を抱えたままにせず、まずは自社の運用に合う方法を検討してみてほしいと思います。
竹田様:最初は新しい受付方法に戸惑うドライバーの方もいましたが、何度か使っていただくうちに、「今の方が楽」と言っていただけるようになりました。
システムを導入するだけで終わりにせず、現場やドライバーの方へ丁寧に説明し、使いながら改善していくことが大切だと思います。同じように受付待ちや呼び出し対応に悩んでいる現場でも、まずはできるところから取り組んでみてDXを推進していって欲しいです。