トラックの路上待機を止める対策。近隣クレームの前に、待つ場所と呼び出し方を決める

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「トラックの路上待機を止める対策」というコラムの見出し画像

拠点の前の道路にトラックが並び、近隣から苦情の電話が入る。荷待ちのなかでも路上待機は、敷地の外の道路で起きるため、近隣の住民や通行する人の目に触れます。受け入れ側にとっては、ドライバーの時間だけでなく、地域との関係や現場スタッフの手間にも影響する問題です。この記事では、路上待機が起きる拠点の実情、受付・呼び出しの仕組みを導入するときに決めること、運用開始までの流れを、実際に路上待機をなくした拠点の例とあわせて整理します。

路上待機が起きる拠点の実情

路上待機は、敷地内で待てる台数を、受付待ちの台数が超えたときに起きます。待機スペースが少ない、またはまったく無い拠点で、ほかの待機場所も確保されていないと、順番を待つ車両は路上に並ぶことになります。

建設仮設資材のレンタルを手がけるキョーワ株式会社は、導入前の主要センターの状況を次のように説明しています。

  • 多いときで1日最大100台ほどのトラックが出入りし、受付待ちが20台ほどになることもあった
  • 敷地内に待機場所が無く、順番待ちの車両が路上で待機し、近隣住民から苦情が入ることがあった
  • 担当者が朝から晩まで整理券を配り、順番が来たトラックを探して呼びに行っていた。離れた場所まで呼びに行くため「自転車や原付が欲しい」という話が出るほどだった

同社は、受付のために一度車両を敷地内へ入れ、再び外へ出てもらい、電話やメールで戻ってきてもらう運用も試していました。ただ、この方法は呼び出すたびに本来の作業が止まるため、入退場対応そのものが業務の妨げになっていたといいます。

道路側の制度も確認しておきます。行政書士事務所の解説では、道路使用許可は工事や作業などのための許可であり、順番待ちや開始時刻までの待機は対象外になりやすいとされています。待機は敷地内や臨時ヤードなど道路の外で受け止めることが前提になる、という整理です。最終的な判断は所轄の警察署の指示によります。

国土交通省のガイドライン(建設資材物流編)にも、周辺道路での荷待ち車両が増えて地域住民からの苦情が発生していた工事現場の例が載っています。

受付・呼び出しの仕組みを導入するときに決めること

路上待機を止める手は、大きく二つです。到着そのものを散らすか、来た車両を道路以外の場所で待たせ、順番が来たら呼ぶか。どちらを軸にするかで、決めることが変わります。到着を散らす予約枠の設計はバース予約の運用設計で扱ったので、ここでは呼び出し側の判断を中心に並べます。

住宅街の道路にはトラックが停まっていない。柵に囲まれた拠点の構内にトラックが停まり、手前の運転席でドライバーが携帯電話を見ている
道路には並ばず、構内の車内で呼ばれるのを待つ
  • どこで待ってもらうか — 敷地内に待機スペースがあるか、無いなら近くの駐車できる場所をどう案内するか。拠点の前の道路を待機場所にしないことを前提に決めます
  • 受付をどこで受けるか — 車両が敷地に入らないと受付できない運用では、受付のための出入りが列を生みます。来場前や車内から受付できるかを確認します
  • どう呼び出すか — 整理券と声かけでは、離れた場所で待つ車両を呼ぶたびに移動と手間がかかります。ドライバーの携帯電話へ直接知らせる手段を検討します
  • 待機場所が埋まったときの扱い — 構内の待機スペースが埋まった時点で、到着した車両にどこで待ってもらうか、受付を一時止めるかを決めておきます
  • 例外の受け皿 — スマートフォンを使わないドライバーをどう受けるか。従来の受付を残すかどうかを先に決めておきます

ガイドラインの工事現場の例では、入場時間の計画を共有して当日の朝に再確認し、時間が変わればすぐにドライバーへ連絡して周辺道路で荷待ちしないように調整しました。現場周辺の荷待ち車両がゼロになり、住民からの苦情も無くなったとされています。荷待ち時間の短縮については荷待ち時間を減らす方法で紹介しています。

運用開始までの流れ

  1. 路上に並ぶ時間帯と台数を数える — 何時ごろに何台が道路に出ているかを数日分記録します。測り方の詳細は荷待ち時間を減らす方法で扱っています
  2. 待機場所と呼び出し方を決める — 前の節の項目を拠点ごとに決めます。敷地の広さも周辺環境も拠点ごとに違うので、全拠点で同じ形にする必要はありません
  3. 運送事業者とドライバーに知らせる — 新しい受付方法を一方的に始めず、案内を配って試してもらうところから始めます
  4. 近隣への影響が大きい拠点から始める — 近隣からの苦情が出ている拠点を優先します
  5. 数字で振り返る — 路上の台数、待ち時間、受付後に帰ってしまう車両の割合を定期的に見直します

新しい受付方法は、最初から全員に受け入れられるとは限りません。キョーワ株式会社でも、導入当初は「車を降りて受付する方が楽」「登録が面倒」という声がありました。同社は強制せず、チラシを配りながらまず試しに使ってもらうところから始めています。何度か使ううちに便利さが伝わり、継続して使うドライバーが増えたといいます。

TruckCALL での実例

キョーワ株式会社は、LINEで受付・順番待ち・呼び出しができるTruckCALL™を全国の拠点に導入しました。

TruckCALL の導入事例ページでは、キョーワ株式会社の成果として、近隣への影響が大きかった主要センターで周辺で路上待機するトラックが0台になり、近隣クレームゼロを達成したと紹介しています。同社は「現在は、トラックが路上に並んでいません」と述べています。

あわせて次の変化も出ています。

項目導入後
全国主要センターの平均の待ち時間約2時間から約30分へ、75%短縮
キャンセル率と立ち去り率の合計約1%
現場スタッフ整理券配りや車両を探して呼びに行く作業から離れ、積み下ろしや伝票処理に集中

ドライバーからは「トラックから降りずに受付できるので楽になった」「来場前に順番を取れて便利」という声が出ています。LINEを使っていない、ガラケーを使うドライバーには従来どおりの受付方法を残したうえで切り替えています。受付情報が事前に分かるため、車両が着く前に伝票や資材の準備を進められるようになった点も、同社は挙げています。

敷地に余裕のあるセンターでも、空いた場所に次々と駐車されたり、受付表の記入順をめぐってトラブルになったりすることがありました。同社は各拠点の状況に応じて運用を変えたと説明しています。路上待機の解消が最優先の拠点と、受付や呼び出しの手間を減らしたい拠点とで、狙いを分けて進めた形です。

建設機械・仮設資材のレンタルを手がけるマツオカ建機株式会社とアシタル株式会社も、紙の受付と電話や口頭での呼び出しによる運用から、TruckCALLに切り替えています。両社が挙げた課題は、受付対応による事務所スタッフの業務中断と、ドライバーの「いつ呼ばれるか分からない」という待機ストレスでした。

まとめ

  • 路上待機は、敷地内で待てる台数を受付待ちの台数が超えたときに起きる
  • 道路使用許可は工事や作業などのための許可で、順番待ちの待機は対象外になりやすい。待機は道路の外で受け止める
  • 導入では、待機場所・受付の場所・呼び出し方・待機場所が埋まったときの扱い・例外の受け皿を決める
  • 近隣への影響が大きい拠点から始め、路上の台数と待ち時間を数字で振り返る

出典

  1. 自社(TruckCALL 導入事例・キョーワ株式会社様)https://truckcall.jp/case/kyowa-inc-co-jp//2026年10月9日 取得
  2. 自社(TruckCALL 導入事例・ミライリスホールディングス様)https://truckcall.jp/case/mirairis-hd-co-jp//2026年10月9日 取得
  3. 国土交通省 報道発表「建設資材物流編」ガイドラインの策定https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000216.html/2026年10月9日 取得
  4. 国土交通省「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン 建設資材物流編」https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001346887.pdf/2026年10月9日 取得
  5. 阿保行政書士事務所「工事車両の『路上待機』は許可が下りない?道路使用許可のOK/NG事例集」https://shoshi-portal.com/blog/rojou-taiki-doro-shiyou-okng//2026年10月9日 取得

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