物流効率化法とは。努力義務と特定事業者の義務、荷待ち時間の記録までを整理する

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荷主や物流センターの担当者にとって、改正された物流効率化法は「何をどこまでやれば足りるのか」が見えにくい法律です。すべての事業者に関わる部分と、規模の大きい事業者だけに関わる部分が分かれていて、施行の時期も違うためです。この記事では、国土交通省が公開している資料に沿って、対象・義務・時期・記録の四つを順に整理します。

物流効率化法とは

物流効率化法は、何も対策を講じなければ輸送力不足が生じる可能性を踏まえ、物流の持続的な成長を図るために荷主・物流事業者へ規制的措置を定めた法律です。改正により、すべての荷主・物流事業者に物流効率化のための努力義務が課され、さらに一定規模以上の「特定事業者」には中長期計画の策定や定期報告などが義務づけられました。

取り組むべき内容は三つに整理されています。

  1. 積載効率の向上等 — 1回の運送でトラックに積載する貨物量を増やす
  2. 荷待ち時間の短縮 — ドライバーが到着した時間から荷役等の開始時間までの待ち時間を短縮する
  3. 荷役等時間の短縮 — 荷役等の開始から終了までの時間を短縮する

そして、これらを通じて達成することとされている目標が定められています。

目標内容
目標1トラックドライバー1人当たり年間125時間の拘束時間の短縮
目標2全体の車両で積載効率44%に増加(5割の車両で積載効率50%を実現)

目標1には内訳があり、1運行の荷待ち時間・荷役等時間を2時間以内、1回の受渡しごとの荷待ち時間・荷役等時間を1時間以内にすることが示されています。拠点側から見ると、この「1回の受渡しごと1時間以内」が実務上の目安になります。

荷役バースの脇で順番を待つトラックと、そばに立つドライバーのシルエット
到着してから荷役が始まるまでが、法律のいう「荷待ち時間」

義務の分類:全事業者の努力義務と、特定事業者の義務

もっとも混乱しやすいのが、義務の分類と時期です。整理すると次のようになります。

対象内容実施時期
すべての荷主・物流事業者上記の取組1〜3についての努力義務2025年度から
一定規模以上の特定事業者中長期計画の作成・定期報告等の義務2026年度から

努力義務の側では、荷主が第一種荷主(主に発荷主)と第二種荷主(主に着荷主)に分けられ、それぞれに講ずべき措置の内容が定められています。連鎖化事業者(フランチャイズチェーンの本部)、貨物自動車運送事業者等、倉庫や港湾運送などの貨物自動車関連事業者にも、立場ごとの措置が定められています。

特定事業者の指定は、物流全体への寄与がより高いと認められる事業者を基準値で線引きする形です。

区分指標基準値
特定荷主・特定連鎖化事業者取扱貨物の重量9万トン以上
特定貨物自動車運送事業者等保有車両台数150台以上
特定倉庫業者貨物の保管量70万トン以上

判定は前年度の実績で行います。取扱貨物の重量・輸送能力・保管量が指定基準値以上であるときは、事業所管大臣に届け出なければなりません。一度届け出て指定されたあとは、引き続き基準値以上であれば翌年度以降の届出は不要です。

基準値以上の特定事業者には、中長期的な計画の作成と定期報告の義務が生じます。物流統括管理者(CLO)の選任が義務づけられるのは、特定荷主および特定連鎖化事業者のみです。選任しないときは百万円以下の罰金、選任の届出を怠ったときは20万円以下の過料が定められています。加えて、努力義務について判断基準に照らし実施状況が不十分な場合には、国が勧告・命令を行うこととされています。

自社で決めること

法律が求めているのは「取り組むこと」と「報告すること」で、どう取り組むかは事業者側が決めます。拠点の担当者が先に決めておくとよいのは次の三点です。

一つめは、算定方法に自社の運用を合わせることです。ここは自由に決められる部分ではなく、国土交通省が算定方法を定めています。要点は三つあります。

  • 到着時刻・時間帯を指示している場合、指示した時刻より早く着いた車両は、指示時刻から数え始めます。 早着分は荷待ち時間に入りません
  • 到着後すぐに受付をせず、業務から完全に離れられる休憩をとった時間は、荷待ち時間に含まれません
  • 荷役等時間は荷積み・荷卸しだけではありません。検品、荷造り、搬出・搬入、保管、仕分、商品陳列、ラベル貼り、代金の取立て・立替え、荷主等が行う荷役への立会いなど、通常運転業務に附帯する業務が含まれます

「荷待ち時間」と「荷役等時間」を合わせて「荷待ち時間等」と呼びます。到着の定義や附帯業務の扱いが人によって違うと、記録そのものが比較できなくなります。

二つめは、誰がどうやって記録するかです。現場では依然として手書きや口頭で管理しているケースも多く、荷待ち時間等を正確かつ継続的に把握することが難しいという課題が指摘されています。報告は一度きりではなく定期的に続くため、人手で書き取る方式は続けるほど負担が増えます。

三つめは、削減の打ち手をどこに置くかです。予約の平準化、受付の自動化、荷役の段取り替えなど、選べる手は複数あります。記録が先にあれば、どの時間帯のどの車格が詰まっているかが見えるので、打ち手を当てずっぽうで選ばずに済みます。

業種別の勘所

同じ法律でも、効いてくる場所は業種によって違います。

  • 製造・卸の物流センター — 時間指定と車両の集中が重なりやすく、目標1の「1回の受渡しごと1時間以内」が最初の壁になります
  • 建設資材・仮設資材のレンタル — 工事の進捗で搬入が動くため予約が読みにくい業種です。敷地内の待機場所が不足している拠点では、受付待ちの列が敷地の外まで伸びることがあります
  • 倉庫業 — 保管量70万トン以上で特定倉庫業者に該当します。自社が荷主でなくても報告の当事者になり得ます
  • 運送事業者 — 保有車両台数150台以上が基準です。荷待ちを「させられる側」でありながら、自社も報告義務を負う立場になります

自社がどの区分に当たるかは、取扱貨物の重量・保有車両台数・保管量という客観的な数値で決まります。まず該当の有無を確認し、該当しない場合でも努力義務は全事業者に及ぶ点を押さえておくのが安全です。

TruckCALL での対応

TruckCALL™ は、受付・呼び出し・荷役の開始と終了といった各時刻データをこれまでも自動記録してきました。2026年4月施行の物流効率化法改正に合わせて、これらのデータから荷待ち時間と荷役等時間を自動で算出する機能を2026年4月7日から提供しています。

  • トラックの受付・呼び出しから荷役完了までのデータをもとに、荷待ち時間等をワンクリックで自動算出
  • 一元管理されたデータは、希望の期間を指定してCSV形式で出力(ダウンロード)できる
  • 時間帯別の平均台数や待機時間の傾向を統計グラフで把握できる

記録が自動で残ると、削減の取り組みも数字で追えるようになります。建設仮設資材のキョーワ株式会社様では、全国主要センターの平均待機時間が約2時間から約30分へと短縮されています(導入事例)。運用をどう組むかはバース予約の運用設計で、方式の選び方は予約受付システムの選び方で扱っています。

法律が求めるのは計画と報告です。記録そのものが義務を満たすわけではありませんが、現状把握と効果検証の材料は記録からしか作れません。算定方法に沿って時刻が自動で残る状態を先に整えておくと、計画づくりにも報告にも同じデータを使えます。

出典

  1. 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイトhttps://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp//2026年9月9日 取得
  2. 国土交通省「荷待ち時間」と「荷役等時間」の算定方法についてhttps://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/method//2026年9月9日 取得
  3. 国土交通省 特定事業者の指定https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/designation//2026年9月9日 取得
  4. 国土交通省 物流統括管理者(CLO)の選任https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/clo//2026年9月9日 取得
  5. 国土交通省 物流政策https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/index.html/2026年9月9日 取得
  6. PR TIMES(株式会社BRAVELOGIS)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000046163.html/2026年9月9日 取得
  7. 自社(TruckCALL 導入事例・キョーワ株式会社様)https://truckcall.jp/case/kyowa-inc-co-jp//2026年9月9日 取得

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